FASHION
複雑な世の中をシンプルに捉えたい。そこにはきっと、彩り豊かな光が見えてくる
2025.05.08
春に続いて「ニュウマン的アートミュージアム」をテーマにお届けする、ニュウマンの2025年夏のシーズンビジュアルができました。夏のエネルギーを湛えた彩り豊かな光と影が、記憶や感情を刺激しインスピレーションの源となる。そんなビジュアルに込めた想いを、クリエイティブディレクターを務めたSIMONEの渡辺琢磨さんに伺いました。
ニュウマンで、ちょっと特別な体験と新たな視点を
新しい生き方をするすべての方に向けて、これまでにない未来を描き続けるニュウマン。シーズンビジュアルの春から続くテーマである「ニュウマン的アートミュージアム」は、普段の生活の延長線上で、少し先を行く特別な体験ができるニュウマンの個性にあらためて焦点を当てたものです。日常のなかで記憶に残るような象徴的な物事を、新たな解釈で表現し、新たな形に置き換える。そこにはしなやかな強さや軽やかさ、知性や遊び心が添えられ、アートミュージアムにいるような感覚がわいてきます。
今回の夏のシーズンビジュアルでは「See the Light」というメッセージとともに、建物に差し込む光がインスピレーショナルな空間をつくり出しています。どこかで見たことのあるような場所だけれど、初めて出会う光景。渡辺さんは「やさしい力」をコンセプトに、都市生活の日常空間と、そこに差し込む彩り豊かな光でビジュアルを構成していきました。
今回の夏のシーズンビジュアルでは「See the Light」というメッセージとともに、建物に差し込む光がインスピレーショナルな空間をつくり出しています。どこかで見たことのあるような場所だけれど、初めて出会う光景。渡辺さんは「やさしい力」をコンセプトに、都市生活の日常空間と、そこに差し込む彩り豊かな光でビジュアルを構成していきました。
やさしい力に導かれてたどり着く、日常のなかの大切な場所
そのときに見えるものでいい、パッと触れられるものでいい。“やさしい”という言葉に込めた思いを渡辺さんはこう話しました。
「この夏のクリエイティブについて考えながら、ふと平成や昭和の時代を振り返ってみると、いまよりも不便さや不自由さがありながらも、その分柔軟な対応力や壁を乗り越える力があったのかもしれないと思いました。現代は情報も多くできることも増えた一方で、人は不確実な社会のなかでいろいろなことに恐怖したり疑念を抱いたりしながら生きています。そこで少しノスタルジックな情景を思い返して、複雑なものは薄目でぼやかして見てみよう、あふれる情報にひとつでもいいから実際に触れてみよう、未来のことは不安だけれど、まずは大切な過去の記憶を思い出してから考えてみよう、という発想で『やさしい力』というコンセプトが生まれました。難しくしすぎず、もう少し気楽に直感的に、世の中をシンプルに捉えて、そして目の前にある課題を力に変えていけたらという意味を込めています」
都市生活の日常で、そんなやさしい力を感じられるとしたら。忙しい日々のなかでは、非日常的な時間や遠くにある憧れの場所に想いを馳せてしまいがちです。でも実は、見慣れた平凡な場所こそが、安心できたり、便利だったり、自分を支えてくれたりする。そのことに“気づく”ことができたら、お気に入りの場所になるかもしれないし、少し楽しい気持ちになるかもしれません。「See the Light」というコピーには、その場所に“光が差す”ことと、そこが“大事な場所だと気づく”ことの両方の思いが表現されています。
「この夏のクリエイティブについて考えながら、ふと平成や昭和の時代を振り返ってみると、いまよりも不便さや不自由さがありながらも、その分柔軟な対応力や壁を乗り越える力があったのかもしれないと思いました。現代は情報も多くできることも増えた一方で、人は不確実な社会のなかでいろいろなことに恐怖したり疑念を抱いたりしながら生きています。そこで少しノスタルジックな情景を思い返して、複雑なものは薄目でぼやかして見てみよう、あふれる情報にひとつでもいいから実際に触れてみよう、未来のことは不安だけれど、まずは大切な過去の記憶を思い出してから考えてみよう、という発想で『やさしい力』というコンセプトが生まれました。難しくしすぎず、もう少し気楽に直感的に、世の中をシンプルに捉えて、そして目の前にある課題を力に変えていけたらという意味を込めています」
都市生活の日常で、そんなやさしい力を感じられるとしたら。忙しい日々のなかでは、非日常的な時間や遠くにある憧れの場所に想いを馳せてしまいがちです。でも実は、見慣れた平凡な場所こそが、安心できたり、便利だったり、自分を支えてくれたりする。そのことに“気づく”ことができたら、お気に入りの場所になるかもしれないし、少し楽しい気持ちになるかもしれません。「See the Light」というコピーには、その場所に“光が差す”ことと、そこが“大事な場所だと気づく”ことの両方の思いが表現されています。
たしかにそこにある、見慣れた日々に差し込む光
メインビジュアルでは、カラフルでパワーに満ちた光が建物を照らしています。夏の強い西陽のようでもあり、どこか現実離れした世界のようにも見える存在感のある光がイマジネーションを掻き立てます。
「今回は空間に差し込む光が主役です。アイデアはいたってシンプルなもの。AIやCGでも表現できることですが、実際の場所、本当の光という、フィジカルな要素を大切にしています。日常的に人が訪れる場所であり、少し非日常感もあるようなロケーション選びや、空間が主役にならないライティングの設計に気をくばり、時間をかけて撮影に臨みました。それでもプリズムのようにカラフルな光の反射や強さ、回り込みなど、本番にならないとわからない部分も多く、現場で光の加減によってアングルを変えたり見せ方を考えたり、工夫しながらつくり込んでいきました。光という形のないものだからこその難しさはありましたが、偶然の美しさに向き合い、試行錯誤して人の手でつくりあげた景色が表現できたと思います」
「今回は空間に差し込む光が主役です。アイデアはいたってシンプルなもの。AIやCGでも表現できることですが、実際の場所、本当の光という、フィジカルな要素を大切にしています。日常的に人が訪れる場所であり、少し非日常感もあるようなロケーション選びや、空間が主役にならないライティングの設計に気をくばり、時間をかけて撮影に臨みました。それでもプリズムのようにカラフルな光の反射や強さ、回り込みなど、本番にならないとわからない部分も多く、現場で光の加減によってアングルを変えたり見せ方を考えたり、工夫しながらつくり込んでいきました。光という形のないものだからこその難しさはありましたが、偶然の美しさに向き合い、試行錯誤して人の手でつくりあげた景色が表現できたと思います」
わたしたちの生きる世の中は相変わらずややこしい。それでも現実と理想のギャップに一喜一憂するより、見慣れた日々のなかにある光の差す場所を思い出してみたい。それは「ふと思い出すような、安心できたり、自分を支えてくれるような場所」だと渡辺さん。
「見てくれた人が一瞬でも自分の記憶に引っかかっている場所や感情を思い出すような、そんな心の機微が生まれるシーズンビジュアルになることを願っています」
都市生活を営むすべての人に流れるいつもの日々。そこに差し込む多彩な光はやさしく力強く、自分にとって大切なものの存在を教えてくれるサインなのかもしれません。
「見てくれた人が一瞬でも自分の記憶に引っかかっている場所や感情を思い出すような、そんな心の機微が生まれるシーズンビジュアルになることを願っています」
都市生活を営むすべての人に流れるいつもの日々。そこに差し込む多彩な光はやさしく力強く、自分にとって大切なものの存在を教えてくれるサインなのかもしれません。
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Creative Director:Takuma Watanabe(SIMONE INC.)
Art Director:Mayuko Ishida(SIMONE INC.)
Movie Director:Shintaro Kamei(SIMONE INC.)
Producer:Fumika Ochi(SIMONE INC.)
Production Manager:Haruka Tokoi(SIMONE INC.)
Production Producer:Toru Hosaka(earls inc.)
Photographer / Videographer:Takashi Kamei
Gaffer:Yasuhiro Ote
Retouch:VITA INC.
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Art Director:Mayuko Ishida(SIMONE INC.)
Movie Director:Shintaro Kamei(SIMONE INC.)
Producer:Fumika Ochi(SIMONE INC.)
Production Manager:Haruka Tokoi(SIMONE INC.)
Production Producer:Toru Hosaka(earls inc.)
Photographer / Videographer:Takashi Kamei
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